2013年11月12日

おっさんゲーマーの回想録(6)

このシリーズもいい加減長くなってしまったのだけど、書いてる内に思い出した事等もあり、もう少し続けようかと思います。
まずはゲームでの使用BB弾について。



発売された最初のBB弾は恐らくマルゼン製品で、エアガンの箱に同梱されている物と同じ、プラスチックの箱に納められていました。
確か100発400円位だったと記憶があります。
結構な値段でしたが、ケース式コッキングエアガンしかない頃にはまあそれほど気にはしませんでした。
使ったって一日二箱程度、むしろカートリッジを無くす方が痛い損害でしたから(笑)

しかし、ケースレスレピーターカスタムが主流になって行くと、使用弾数が増えるのでコストが気になり出します。

俺が上京した1986年頃には、各社からBB弾が発売され値段も下がりました。
記憶にあるのはマルシンのSMブルーBBとか、MGCのスーパーグレッツとか。
サンエイのBB弾が発売されたのもこの頃だったような・・・。

およそ一発あたり1~2円が相場だったでしょうか。
数千発入りの大袋と言うのはまだあまり無く、1000円ぐらいで数百発入ってるような物が多かったですね。
メーカー製BB弾は供給が悪く、店頭で在庫が切れている事も度々で、恐らくサバゲでバリバリ撃ちまくる用途は想定外だったのでしょう。
アフターサービスの一環程度の認識であったのかもしれません。

そんな状況ですから、弾を選ぶと言う様な選択肢はあまりなく、入手可能な物を手当たり次第に買って使っていました。


同じ頃、0.2g以上の重量弾も登場します。
今は無き模型メーカーのLSが、0.27gとかの弾を発売したりもしました。
他にも数種類有ったと思いますが、あまり印象に残ってません・・・・・・。


しかし、そのすぐ後に当時唯一の業界団体でエアガン製造メーカーの組合であったASGKが、自主規制を打ち出して、0.2g以上の弾はメーカーからは発売出来なくなりました。

この為、重量弾は入手困難になるのか・・・と心配する間もなく、ASGKに加盟していないデジコン電子が超重量弾を含め、製品を供給し始め、一気に普及する事になります。

最近のエアガンファンにとっては、「デジコン」と言えば極悪パワーの代名詞、凶悪なエアガンを製造していたアングラメーカーと言う印象かもしれませんが、実はかなり長い間サバゲで使われるBB弾は、0.2gから超重量弾まで、デジコン製品にほぼ独占されていました。

当時のASGKの業界での影響力は大きく、自主規制と言えどもかなりの強制力を持っていました。
自主規制に沿わない物は一般流通に乗せられず、専門誌で広告を打つ事も、記事に載せる事すら出来なかったのです。

ガスガン普及以前に、既に超重量弾の需要はあり、デジコン弾は口コミで広がりました。
問屋が扱わない(表向きは、ですが)分、専門店への直卸しで販路を確保していた様です。



ガスガンが普及すると、BV式が軽い弾ではまともに集弾しない事から、0.3gくらいの弾が当たり前に使われていたと思います。
それ以上の重さの弾となると金額的な問題でフルオートでの使用はあまり無かったと思いますが、セミオートやコッキングエアガンは対抗上、重量弾で精度を上げる傾向にあったようです。

後に半額ぐらいに値下げにはなりますが発売当初のデジコン超重量BB弾は0.36gが1000発3600円、0.43gが4300円。
0.2gは1000円ぐらいでしたから、いかにバブル全盛の頃だったとは言え、超重量弾はやはり高いと感じた物でした。


もう一つ、極悪ハイパワーの象徴的に言われる貝殻弾については、実はデジコン製品が出回る以前から存在する、ほぼ唯一の超重量弾でした。
元々が養殖真珠の核の、ちょうど良い物を選定してるだけでBB弾ですらないのですが、重くて滑りが良くパワーと集弾性を得られる秘密兵器的扱い。

しかし、メッシュゴーグルで割れて破片が中に入る事があり危険と言う事で禁止しているケースも多かったと思います。
禁止しなくても超重量弾に比べてさえ更に高額。
確か100個で800円位だったと思うのですが、選別すると半分くらいは使えない、と言う超高級品で、とてもバラ撒ける物では無かったのです。
デジコン超重量弾が出てからは、ほぼ見かけなくなりました。
フルオート時代には既に過去の物だったのですが、そのプレミアム性故か「伝説の弾」的な扱いでした。




ついでに書いて置くと、スチールベアリングは超重量級の弾の更に倍の重さがありますので、発射可能ではあっても威力はむしろ落ちますし、まともに飛びませんのでサバゲで使ったと言う例はいくらなんでも殆ど無い筈ですね。



一般的に0.2g弾がゲームの標準になって行くのは、ASCSの影響もありますが、トイテック製品の普及も影響大だったと思います。
同社が当時としては激安で高い精度の0.2g弾を販売した事で一気に重量弾との価格差が開いた為だと思われます。

電動ガンの多弾マガジンが当たり前の現在からは想像が難しいでしょうが、トイテック登場以前のフルオートガスガンでは1マガジンの装弾数は多くて100発ぐらいが相場でした。
BV式は構造上マガジンにも圧力がかかり、気密を取らなければならないため、多弾化が難しかったのです。
カスタム手法としては多弾化の方法もあったのですが、「カエルの卵」と揶揄される様に外観が崩れ、性能も落ちるので嫌う人も多く、メーカーが純正として採用するのは難しかったのです。
アサヒ製品では、後に新型ユニットのブッシュマスター、FNC用の300連ドラムマガジンが少数発売されましたが、これは同社のこれらの製品がエア給弾方式だったから例外的に可能だった事です。

そんな中、新興メーカーだったトイテックが装弾数1000発のキャリコを突然発表したのですから、衝撃的でした。
雑談に広告が載った時には有り得ない程の低価格もあって目を疑い、新手のサギかと疑った位でした(笑)

トイテックのガスガンの利点は先にも述べましたが、その利点を最大限に生かす為には安価なBB弾は不可欠でした。
安価なだけの弾は当時もありましたが、トイテックのユニットは精巧な給弾システムを持っていたので、弾の精度も必要です。

そのへんメーカーさんは良く判っていたので、当時の0.2g弾としては破格の、1000発500円の格安高精度弾を発売したのです。
メーカー製BB弾としては供給も良く、他メーカーの追従もあり弾の値段は大幅に下がりました。
低圧ゲームの普及と共に重量弾使用は減り、逆に多弾数化による消費量増大に拍車がかかりました。

一時代を支えたデジコンBB弾も価格面で勝負にならなくなり、重量弾の需要も頭打ち。
恐らくこの頃、売り上げが落ちていたのではないでしょうか?
デジコンは自社製品のガスガンを発売したりしましたが、その路線は次第に極端なパワー志向に傾いて行きます。


この頃、ASGKも規制を見直し、0.2g以上の弾も認められる様になったのですが、このへんの前後関係がイマイチ記憶が曖昧です(汗)
もう1つの業界団体あるJASGが発足したのは少し後だった筈ですが、こちらは規制値が最初からASGKよりかなり高めです。

1990年代半ばぐらいには、「1J、0.2g」というレギュレーションが普及し始め、超重量段は精密射撃系のみに使用されるようになって行ったのですが、流速チューンの流行で近年、再びサバゲに戻って来ました。

個人的には昔から「弾の重量に関わらず想定される最大の危険は至近距離での被弾なのだから、威力を低く抑えれば問題ない」と言う主張なのですが、よく被弾する5m以上の距離では明らかに痛いのも事実なので、重量弾規制もある程度仕方が無いなあ、とも思います。





規制値の話のついでですが、ASGKの自主規制値は良く知られている通り「0.4J」なんですが、この数値、0.2g弾で初速およそ60m/sです。
どのくらいの威力かと言うと、マルイのいわゆる1900円シリーズがだいたいそのくらいです。


こう書くと大体想像つくと思いますが、当初から殆ど守られていませんでした。
極悪パワー時代故に、ユーザーの要求でハイパワー化されて有名無実になった訳ではありません。


売ってる状態では0.6~0.8Jくらいの物が多かったように思います。
ようするに、今と殆ど変わらない威力ですな。

ただ、ホップシステムは搭載されていなかったので、物足りなさはありましたが。
5mくらいで明らかに落ちる弾道では「もう少しパワーがあれば・・・」と思ってしまうのも無理のない話です。

現在はASGKも「競技用」と言う名目で0.8Jまで規制値を緩めましたが、ようするに現状追認ですな。
過去の規制が厳しすぎたんだと言わざるを得ません。

ASGKの影響力が大きい頃、雑誌の新製品紹介の記事は広告主を喜ばせる為になんとか良く書こうとしつつ、ユーザーは強力な物を欲しがるし、かと言って自主規制値を越える数値を書く訳にも行かず、と言った事情があり、随分苦労をしていた様子が記事からも伺えます。
対して当時のゲーマーの多くは、雑誌の記事は実際とかけ離れすぎているのを知っていたので全くアテにしてませんでした。

ネットも無い時代、専門誌に載って残っている情報が実はかなり実情と離れていたと言う事は意外と知られていなくて、当時の様子が見え難くなっている事が「暗黒時代」等と言われてしまう一因なのではないかと思う訳です。














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